読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

亡羊と遊ぶメランコリー――小説家志望・束木志埜のブログ

小説家を目指すわたくしのブログ。色々なことに関心を持ち、できる限りのことをしたく思います。小説・アニメ・漫画等々の感想や日々のこと、創作についても書いていきます。よろしくお願いします!

小説 三島由紀夫『命売ります』のすすめ

スポンサーリンク

 小説 三島由紀夫『命売ります』紹介

 みなさん、三島由紀夫さんの小説を読んだことはございますか? 

 三島由紀夫さんと言いますと、当然、日本文学界の大御所さんですね。代表作の『金閣寺』や『潮騒』などは、多くの方が題名だけでもご存じなのではないでしょうか。
 三島由紀夫さんは美文の小説家としても有名ですよね。日本の小説家の中で、誰が一番文章力があるのか――という議論はネット上でもほぼ毎日ああでもないこうでもないと続いておりますが、三島由紀夫さんの名前は必ず見受けられます。それほど、文学において三島由紀夫の存在は大きいのでしょう。

 

 さて、そのような三島由紀夫さんですが、彼の作品を読んだことがございますでしょうか?

 

 わたくしはまだ二十一歳の若者です。

 そして、わたくしのような若者世代は、周囲を見渡す限り、三島由紀夫さんの凄まじさや面白さは知っていながら、昔の文豪ということで倦厭しているように思われます。もちろん、若くてもバリバリと文学に触れている方はいらっしゃいますがね。尊敬しております。
 が、かといって、昔の文学を嗜まない人が劣っているのかと問われましたらば、それは違うと答えましょう。自分がもっとも面白いと思うモノを読むのが正解ですからね。人に強制されて、無理矢理に辛い思いをする必要は、少なくとも読書には皆無です。
 
 ですから、今回の記事は「いいから読め!」ということではなく、「意外と面白いですよ」という紹介記事でございます。

 

 みなさん、三島由紀夫の『命売ります』を知っていますか?

 

  意外と読みやすい!?

  三島由紀夫というと、やはり昔の方ですから――しかも、かなり文学的評価の高い方です――つい、高い壁のようなモノを感じ取ってしまう方も多いのではないでしょうか。わたくしも、同じような感覚を持っておりました。

三島由紀夫? なんだか難しそう……
ちょっと文章が硬くて読みにくそう……
急に切腹した人だよね? 知ってる知ってる
 というような意見もあるでしょう。
 しかし、もう一度、今回取り上げる『命売ります』のタイトルをご覧ください
 あれ? 意外と? 難しくなさそう?
 そう、その通りなのでございます。無論、小説を読む際に、本当は難しいも難しくないもないのですが、そこを重視してしまう気持ちはわかります。
 そういう方こそ、三島由紀夫を知らない方こそ、『命売ります』に触れて欲しく思います。面白いですし、読みやすく見事な文体ですらすらと読み切ってしまうことでしょう。
 また、やはり文章が上手いことは確かで、わたくしのような小説家志望の方は最早必見であるとすら言えましょう。
 読書感想文のお供にも、是非是非おすすめですよ。先生も「お、おま、みみみ三島由紀夫を読んだのかーい!?」と仰け反ること請け合い。
 一作読んだだけでも、「え? 三島由紀夫? 読んだ読んだ。面白いよね」と胸を張って言うことができるようになるのです。基本、ライトノベル愛好家たるわたくしですらも、なんだか三島由紀夫の名を口にできると、ついつい誇らしくなってしまいます。
 入門編として、三島に興味はあれどまだ手に取ったことがない人、この機会に読んでみてはいかがでしょうか。

 

 で、『命売ります』ってどんなお話?

 

 前振りが長くなりましたね。申し訳ない。簡潔に内容をお伝えします。とはいえ、できるかぎり内容はぼかしますので、読んだときに「あいつ、ネタバレしやがって!」というような悲劇は起こさないことを約束しましょう。
 
 急に死にたくなった羽仁男(はにお)が、自分の命を使って商売を始める……というお話です。
 死ぬことをまったく恐れない羽仁男はもう無敵で、「絶対に死ぬ」仕事に平然と臨みます。しかも、毎回チャッカリ生き残ってしまうのです。その上、依頼料でかなりの大金を手にしたりします。所謂、勘違いモノ的楽しみ方もできるかと思いますよ。羽仁男と周囲の差異が、本当に面白い。笑える面白さでもあり、痛快の面白さでもあります。


 具体的な作中の依頼ですが、
 危険な組織に加入している男から女を寝取れ、とか。謎のお薬の実験対になれ、とか。吸血鬼のお母さんを助けてやってくれ、とか。敵国のスパイの情報を奪ってこい、とか。等々。


 様々な無理難題に対して、羽仁男は『死が怖くない』というメンタル一つで挑み、見事打破していくのです。結構、このときの羽仁男さんは格好良いです。かなり危険な連中が揃って「あいつヤバい」という感想を彼に持ちます。
 死に対してなんとも思わない。その異常さが却って、生きることの難しさ・異様さを物語っております。けれど、そのような難しいことを考えずとも、ただ文字を追っていくだけでハラハラできること間違いなしです。


 死が怖くない人間がどうなってしまうのか……という楽しみもありますね。


 また、この物語はラストの怒濤の展開にも定評がございます。ラストの十数ページで、物語は一変します
「え、どうなるの?」とわたくしは思わず読みながらに呟いておりましたとも。


 羽仁男の心の変化と、物語の急加速。回収されていく――伏線
 それらが三島の見事な文体で、色鮮やかに表現されているのです。
 見所はたくさんですから、とても楽しめる小説ですよ。まさしく、エンターテイメントですね!

 

 ともかく、三島の面白さを知るためには、読んでみるのがよろしいかと! 他の方のレビューもありますしね!

 難しいことを難しく表現することは簡単です。

 簡単なことを難しく表現することも簡単です。

 しかし、難しいことを簡単に表現してしまうのは、天才にのみ許された技術です。至難です。
 そして、天才の代表たる三島由紀夫は、その技術を巧みに操ります。
 故に、三島由紀夫の作品は読みやすいモノが、実のところは多いのです。だというのに、深く深く読み込もうとすると、奥は底知れずに深く。興味深い作家さんですね。


 また、三島自体も意外と親しみやすい方です。彼、漫画が好きなんですよ。ちょっと意外、という意見も多かろうと思われます。


 ともかく、三島由紀夫、面白いですよ、三島由紀夫

 

 さて、ここで唐突に問題です。
 わたくしはこの記事中、何度「三島由紀夫」と言ったでしょうか?

 

 終わりのコーナー

 語彙力向上のため、一日一つ、言葉を覚えていこうかと。てきとーに辞書をひきまして、その中から良い感じのモノを載せますね。もちろん、意味付きで!

 ただし、わたくしの定義する語彙力というのは、知っているだけでは駄目なのです。咄嗟に作中で使えなくては意味が無いのです。ですから、比較的簡単な言葉も、敢えて意味を調べて載せることがあるかと思われますね。

 

 今日の語彙は『瀑布
 高い所から白い布を垂らしたように、直下する水の流れ。滝。飛泉。「ナイアガラ瀑布」《季 夏》
 引用は『goo国語辞書』http://dictionary.goo.ne.jp/jn/175405/meaning/m0u/より

 結構比喩で使われている言葉ですよね。
 では、さようなら。