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亡羊と遊ぶメランコリー――小説家志望・束木志埜のブログ

小説家を目指すわたくしのブログ。色々なことに関心を持ち、できる限りのことをしたく思います。小説・アニメ・漫画等々の感想や日々のこと、創作についても書いていきます。よろしくお願いします!

ネット小説『龍と奏でる英雄譚』第1話

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次話はこちら

目次

 

前書き

 あまり長くないので、よろしければお読みください。

 

 今回から一話が始まります。このお話は「第十一回小学館ライトノベル大賞」の一次通過、二次落ち作品です(便宜上、作品だなんて格好良い言葉を使用させていただいております)。これを読むことによって、落ちるお話の傾向が掴めるのではないでしょうか。まあ、ただ単に二次通過作品よりも面白くなかっただけなのですが。

 

 ちなみに、このお話はガガガ文庫換算で4ページ分となっております。話によって分量は変わるかと思われますが、大体これくらいを目安にやっていきますね。応募要項換算では150ページ、つまり文庫換算で300ページ分あります。

 一話が4ページくらいなので、75話くらいになるかなと予想しております。お付き合いいただけたら幸いです。 

 あと、誤字は敢えて残してあります。勝手に修正したら、なんだか狡いような気がして。直すべきでしたら直しますので、アドバイスお願いします。

 ……本当は、紙で読んで貰いたいですし、縦書きで読んで欲しいのですが、仕方がありませんよね。それにスマートフォンだとかなり読み辛いかもです。申し訳ありません。

 

 では、本編です。

  龍と奏でる英雄譚――第1話

 吟遊詩人は演奏と共に朗々と英雄譚を語り、噴水広場で駆けっこをする子どもたちは零れるような笑顔で童話を口遊む。商店の前では、楽士たちが思い思いの演奏を楽しんでいた。
 カフェなどに目を向けてみるのも面白いかもしれない。優雅に紅茶を口元へと運ぶ婦人が、うっとりと耳を傾けているのは、弦鳴楽器であるハープルだ。
 ハープルは、巨大な車輪のような外見をしていて、円の中心から弦が放射状に伸びている。普通は専用の台に置いて固定し、演奏者は地面に座り込んで音を編んでいく。
 演奏者が優しくハープルの弦を愛撫する度、天使の囁き声が優しく人々の耳朶を撫でていく。甘やかな音色が、柔らかに世界を包み込む。
 ここ、音楽国家フーテは音楽で溢れていた。
 城下町に住む全てが演奏家。雑音も雑談も、この国では立派な音楽だ。様々な音色が重なり合い、一つの譜面を形作っている。
 この国ではそれを――国歌と呼んでいた。
 ただ、その素晴らしき譜面にも、少々の歪がある。
 今度は貧民街へと目を向けてみよう。貧民街とは言っても、ここは王都であり、直視に堪えないような貧民は何処にもいない。皆は楽しげに鼻歌などを奏でている。
 しかし、ただ一部。他とは異なる場所がある。
 そこは酒場。王都内の情報は何でも集まるという、後ろ暗い人間もそうでない人間も多く足を運ぶ場所である。
 そこは現在、音楽とは到底呼べない、暴力的な喧噪で満ちていた。

 

第一章 無の英雄は少女と出会う。

 

 過度な酩酊に身体を支配されているラウルは、けれどもしっかりとした視線で以て、眼前で行われている残虐行為を見据えていた。
 ラウル・シーンスは所謂――駄目人間である。
 日々を酒の酔いに任せ、稼いだ金の殆どを賭博場に寄付しているような男だ。そのような彼でも、目の前の愚行は黙って見過ごすことはできなかった。
「おい、あんたら」
 ラウルは手にしていた木製のジョッキを強くテーブルに叩き付けると、その勢いで椅子から立ち上がった。酔いの所為でふらつきはしているものの、彼の目は真剣だ。
「女の子を虐めて良い気になってんのは感心しねぇな」
 酒場では今、良い歳をした酔いどれどもが一人の少女を取り囲み、四方八方から怒声を浴びせかけていた。
 酔いどれに囲まれている張本人は、憮然とした態度で怒声を受け流している。更には、制止の声を上げたラウルの声すらも受け流していた。少女はラウルの方を振り向きもしない。
 酒場にいる人々は、誰も制止の声に気付いていなかった。
 ラウルは涙目になりながらも、ことの成り行きを見守ることにした。崩れ落ちるように、椅子に座り込む。
 気まずそうに木製のジョッキを再び手にしたラウルには構わず、酔いどれたちは更に騒ぎの調子を強めた。
 周囲の有象無象に囃し立てられ、酔いどれたちのリーダーらしき男が、一歩、少女の方へと近づいた。男は大袈裟に両腕を開くと、酔いで回らぬ呂律で語る。
「酒場に来てなぁ。ここに俺がいるんだぞ! 酒の一杯にも付き合わねえってのは、筋が通らねえよ。なあ、嬢ちゃん」
 ナンパであった。男は続ける。
「ここに来たってことは、酒を飲みに来たってことだ。もしくは情報を探しに来たのかもしんねえが、どっちにしろ酒は飲まなくちゃなんねえ。だったら、俺と飲むのが常識だろ」
「わからないわ」
 意味のわからぬ主張を高らかに放つ男に対して、少女は初めて口を開いた。
 少女の口から奏でられたのは――一流のハープル奏者であろうと生み出せない、夢心地を誘う最高の音色。聴いたこともない、圧倒的な美声であった。
 音楽国歌であるフーテでは、声が美しいことは何よりの美点となる。
 酒場にいた全員が、思わず息を飲んだ。そして、続くであろう少女の言を待つ。
「妾(わらわ)に話しかける、貴方は誰なの?」
「そこは察してやれよ。ただのモテないナンパ野郎だよ」
 少女の尤もな台詞に、ラウルはこっそりとツッコミを入れる。ナンパであるとすら気付かれていない男に、微かな同情心が沸いたのだ。
 ラウルの言葉を耳に入れた少女が、そのとき、ゆっくりと振り向いた。
 そして、ラウルは――凍り付いた。
 魅了される。視線が少女以外の全ての情報を遮断した。
 透き通った、この世の汚れ一切を拒絶したかのような白銀の頭髪。髪の隙間から覗く瞳は、爛々と赤い光を放っている。幼さを残しつつも優雅な美貌を湛える顔の造形は、ただ存在しているだけで脳を擽ってくる、媚薬のようですらあった。
「そこの貴方……良い匂いがするわね」
「は、はあ!?」
 少女の唐突としか言えない指摘に、ラウルは大いなる動揺を覚えた。
 ラウルが何を言われたのか理解できず、言葉を返せないでいた――そのときだ。
「おい、無名! 俺の問題に勝手に口を挟むな! ぶっ殺すぞ!」
 男の怒りがラウルへと向いた。

 

前話・次話

前話(これが第一話です)・次話(2話)

 

反省会

 わたくしがただ反省するだけのスペースです。別に読まなくても大丈夫ですし、これを読まないとお話が解らなくなる……なんてこともありません。ですから、続きを読むことを優先してください。ただ、興味が微塵でもある方は、是非とも一緒にこのお話の問題点について考えていきましょう。

 

 まず、ちょっとくどいですよね。エピローグにあたる部分は、本編とは意図して文体を変えているつもりなのですが、それでも退屈は生じてしまうかもしれません。また、最初のイベントにどうしても「動」を持って行きたくて、安易にチンピラさんを登場させてしまいました。もちろん、このチンピラさんは後半にもちょっとした出番があるのですが、それは読者さんには関係のないこと……

 お話の都合によってキャラを増やしたのは問題かもしれません。それで面白ければ問題はないのですがね。問題は面白くないということです。

 その上、酔っている設定に甘え、酔いどれさんの台詞が本当に意味がわかりません。わたくしの経験上では、こういう方はいらっしゃいますが、普通の人とは縁遠い人かもです。もっと言いがかりの台詞を丁寧に考えてやるべきでした。中々に難しいですね、言いがかり。そもそも言いがかりという概念自体が、意味不明な言動な部分もあります。そのところも加味して、普通の言動よりももっと気を遣ってやるべきでした。

 これからもわたくしの言いがかり台詞の下手さが露見することになるかと思われます。こういう明らかにおかしい人物を書くときの、不自然さどうにか改善していきたいものです。おかしい人物を書くことが下手なので、狂人ではなく、支離滅裂になってしまうようです。だというのに、言いがかりに頼った展開ばかりなのは、わたくしの引き出しの不足に起因します。そして、安易な方法ばかり、楽な方法にばかり進んでしまういます。この堕落を壊し、引き出しを増やしていかねばなりません。

 具体的改善方法としましては、もう少し尺を割く。展開を急にしない。自分の求めている展開へ強引に移行しない。流れをもっと意識する。ハードボイルド系の小説、推理小説等を読む頻度を増やす……とかですかね。台詞を丁寧に作ったり、推敲のレベルを上昇させるのも有効かもしれません。

 冒頭の不慣れさも改善せねばです。これも読書と経験とによって直せる気がします。が、もっと読者目線を意識した作りにせねばですね。

 以上。もっと反省点があれば、後日追加するかもです。

 

 自分で言ってて、とても胸が痛くなりました。けれど、必用な痛みってありますよね。受け入れなければです。

 ただし、悪い面は場合によっては美点となることもあるそうです。

 例えば「鈍い」が「マイペース」になり、「ナルシスト」が「自信に満ちている」に変わることもよくあること。今回、わたくしが悪いと言った点も、他の方には当てはまらないかもしれません。

 みなさんは、もっと自信を持って創作に励んでくださいね。

 わたくしに構わず、先に行け! ということです。

 

おわりのコーナー

 今日の語彙は『露出

    1. あらわれでること。また、あらわしだすこと。「岩が露出した山道」「肌を露出する」
    1. マスメディア、特にテレビに取り上げられること。「各党ともテレビへの露出に気を使う」
    1. カメラで、レンズのシャッターを開閉して、乾板・フィルムの感光膜や、CCDなどのイメージセンサーに光を当てること。露光。

     

  1.  引用は『goo国語辞書』より。
  2.  結構好きな表現で「目を露出させる」というのがあります。おすすめ。
  3.  では、さようなら。