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亡羊と遊ぶメランコリー――小説家志望・束木志埜のブログ

小説家を目指すわたくしのブログ。色々なことに関心を持ち、できる限りのことをしたく思います。小説・アニメ・漫画等々の感想や日々のこと、創作についても書いていきます。よろしくお願いします!

ネット小説『龍と奏でる英雄譚』第2話

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次回は「こちら」から

目次

前書き

 このお話は「小学館ライトノベル大賞」の一次通過、二次落ち作品です。みなさん、一緒にこのお話の駄目なところ、もしくは良いところを考えていきましょう。そして、互いに良いお話を作れるように精進していきましょう。

 このブログがそういう勉強の場になれば幸いです。

 では、本編です。

 龍と奏でる英雄譚――2話

 怒り一色に染まった男の目が、ラウルを射殺そうと光を放つ。その視線を受け、
(やばいな。酔っ払い怖ええ)
 ラウルは心底から震え上がっていた。
 酒場の雰囲気が一瞬で塗り替えられた。一部の野蛮な客たちが、戦の臭いを嗅ぎ取り沸き立ち始めたのだ。温厚な気性の客たちは、我先にと会計を済ませて逃げ出してしまう。
 普段ならば、ラウルも同じように逃げることだろう。
 酒場での喧嘩など日常茶飯事であり、この場から逃げ出すことなど最早肉体に刻まれたルーティンワークも同然だ。
 が、今回は当事者として舞台に上がってしまったので、そういう訳にもいかない。
 溜息と共に、ラウルは周囲を見渡した。
 騒がしい客たちが円陣を組むようにして、ラウルと男を囲んでいる。人工の戦闘フィールドは、逃走行為を許容しないだろう。
 前方には、鼻息荒く腕まくりをする男の姿。
 やるしかない。やらねばやられる。そんな状況。
「わかったよ。やろう。ただし、武器の使用はなしだぜ? オレが治療魔法を使えれば問題なかったんだけど、生憎音痴でな」
「死ねええええええええ!」
 怒声。同時に踏み込み。
 男の手には、光を反射して輝く刃の姿があった。
 飛び掛かるような男の一歩で距離を詰められた。容赦ない斬撃が放たれる。
 しかし、男の一撃は無残な死体を作り出すことはなかった。
 反射的に、ラウルが動いたのだ。
 頭を抱えてしゃがみ込んだラウルの頭上を、減速なしの刃が通り過ぎていく。ラウルの漆黒の髪が間に合わずに寸断され、はらはらと散っていく。
(こいつ、本気で殺す気かよ! やっぱり酔っ払い怖いな、おい)
 ラウルの瞳には、誰の目にも明らかな程の恐怖が刻まれていた。彼は怯えながらも、反撃に打って出る。
 頭部を守っていた手を床へ移動。バランスを取ると、直後、両足を射出した。
 ラウルの足が、男の手首を蹴り上げる。
 男は、思わぬ反撃と痛みとに顔を苦悶の形に変えた。衝撃に耐え切ること叶わず、手の中の刃が吹き飛ぶ。
 ラウルの方は、蹴りを振り切った勢いで一回転。そのまま立ち上がっていた。
 刃は高速で回転を繰り返し、徐々に天へと舞い上がっていく。照明魔法によって灯された淡い光が、刃を煌びやかに照らし出し、賛美に足りる絵を作り出す。
 皆の視線が唖然と刃へと向く中、ラウルだけが別の感想を抱いていた。
(マズったな)
 刃はやがて落下してくるだろう。すると、真下にいる男にぐっさり突き刺さるかもしれない。その危険性に、男は気付いていない。
 男が気付けないのならば、ラウルが逃げろとでも言うべきかもしれない。されど、ラウルの危険勧告を男が聞き届けるとも思えなかった。
 別に、ラウルとしては、自身に刃を向けてきた危険人物を助ける義理はない。
 究極的に言ってしまえば、目の前の男は見捨てて良い命だ。彼を助けることによってやって来るであろうデメリットは計り知れない。
 それでも、
「ッ! ごめんな!」
 ラウルの蹴りが、男の顔面を打ち抜く。意外なまでに鍛え抜かれていた膂力は、あっさりと男の肉体を後方へと吹き飛ばした。
 人工戦闘フィールドを形作っていた観客の一人が、どうにかといった様子で男を受け止める。
 刹那遅れて、男がいた場所に刃が突き立った。
「間一髪だったな。お母さんに言われてたんだよ。『自分がされて嬉しいことだけを、他の人にはしなさい』てな」
 余裕の軽口と共に、ラウルは一仕事終えた気分で額を袖で拭う。仕事で流す汗と美少女の流す汗程、美しい汗は存在しない。やはり、仕事は素晴らしい。その内容が例え、モテない乱暴者を叩きのめすことだとしても。
 と、そうしてラウルは達成感を得ていたが、まだやらねばならないことが残っている。
 刃を男に返さなくてはならない。そのときにでも強引なナンパを窘めれば、今回の喧嘩の意味も見えてこうようというモノだ。
(それに、今回の相手が嫌われ者のオレで、その上、そこそこ戦えたから大事に至らなかったけど)
 ラウルは想像してみる。
 もしも、男がラウルではなく、少女の方に暴力を働こうとしていたら、と。考えるだにゾッとする。ラウルは、目の前で少女が真っ二つにされることを喜べる性癖を持っていない。そこは、彼の数少ない美点の一つといえるだろう。
 刃を拾い、男の元へと歩き出す。
 ツカツカと甲高い足音を意識して出し、できるだけ周囲の場を威圧、支配しようと試みる。あと一歩で男に刃を渡せるという距離に辿り着いたとき、待ったの声がかけられた。
「待ちたまえよ、ラウルくん」
 ラウルは足を止め、声の方へと首を向けた。

 

前回・次回

前回(1話)・次回(3話)

反省会

 戦闘の迫力がいまいちかもしれません。また、またもや展開に強引が目立つような気がします。このお話は既にできあがっていて、この反省会の内容を反映することは敢えてしません。ですから、読んでくださっている方は「なんで駄目だと解ってるのに書き換えないんだよ」と思われるかもですが、仕方が無いのです。この企画は、そういう企画ですので。

 あくまでも、二次落ちの実力はこの程度で(同じ二次落ちでも実力に差は大きくあるかと思われます。わたくしはの二次落ちの中でも最弱よ……)、このお話は何処がどう駄目だったのか、を発表する場なのです。