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亡羊と遊ぶメランコリー――小説家志望・束木志埜のブログ

小説家を目指すわたくしのブログ。色々なことに関心を持ち、できる限りのことをしたく思います。小説・アニメ・漫画等々の感想や日々のこと、創作についても書いていきます。よろしくお願いします!

ネット小説『龍と奏でる英雄譚』第7話

龍と奏でる英雄譚
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前話(6話)・次話(8話)

目次

 前書き

 このお話は『第十一回小学館ライトノベル大賞』で一次通過、二次落選の作品です。

 このお話が何らかのプラスを誰かに与えられると良いな、という願望の元、ここに公開させていただきます。公開から後悔に繋がらぬことを祈ります(こんなことばかり言っているから落選なのだ、というツッコミはなしの方向で)。

 では、本編です。

 龍と奏でる英雄譚――第7話

 ラウルは暗くなる感情を殺すべく、酒場の店主の好意に口を付けた。
 木製のジョッキを傾かせ、中の酒を一気に口内に。飲み干す。
 喉が焼け付く感覚と脳を駆け抜ける鈍い衝撃。視界に靄が掛かり、全身が霧に抱かれたかのような不安定さに包み込まれる。
 額には、表現のしようのない、独特の熱が宿る。
 眩む足下。それでも、ラウルは歩き始めた。
 既に太陽は沈もうとしている。音楽国家フーテは、現在、茜色に染め上げられている。
 ラウルは昼から飲み始めたので、夕日の存在に少々驚いた。殆ど一日中酒と戯れていたことになる。これはベールディアに愛想を尽かされてもおかしくない、とラウルは笑う。
 彼が酒を飲むようになったのは最近のことで、酒の有無はベールディアからの評価には一切関係していないことに、酩酊状態にあるラウルは気付かない。
 ふらつく足でラウルは世界を見つめていく。
 噴水広場では、恋人たちが互いに陶酔したかのようなうっとりとした表情で、恋歌を囁き合っている。夕日の鮮やかな空の元、楽器を演奏する楽士が美しい。
 中には奏唱を繰り出している者もいるようで、譜面が宙を泳いでいる。
 広場を抜け、商店が集まる場所に来てみると、商人たちの澄み渡った、よく通る声が耳を打つ。その聞いていて気持ちの良い声を拡張しているのは、雇われの奏唱師である。
 奏唱師――音楽によって奇跡を起こすことを専門とした人間たちの総称だ。
 人は誰しも、音楽を奏でることによって魔法を扱うことができるが、専門としている人間には質もレパートリーも劣る。それは仕方がないことだ。
 商人が専門の奏唱師を雇用することは、別に珍しいことではない。
 商店通りを闊歩していると、様々な音楽が複雑に重なっているのがわかる。商人の客引き文句、主婦たちの賑やかな会話、音楽と歌声。
 生み出されるのは、一つの譜面――国歌。
 ラウルは既に中に何もない木製のジョッキだけを手に、商店通りを抜けていった。
 しばらく歩き、彼は人通りの少ない場所で立ち止まった。そろそろ酔いも回りきり、立っているのも辛くなってきたのだ。
 何に使われているのかも定かでない建物の、二階へ続く階段に腰を下ろす。
「もう夜か」
 いつの間にか夕日は地平線に溶け去り、世界は闇に沈みつつあった。
 ラウルを置いて、時は容赦なく進んでいく。時折通り過ぎていく人々は、一瞬ラウルに怪訝な視線を送るが、すぐに何事もなかったかのように、つまりは幸せそうに去って行く。
 世界に見捨てされたような、小さな孤独感。
 手を伸ばしても届かない、ありふれた日常。
 他者が何気なく手に入れている世界が、ラウルの瞳にはあまりにも遠くの光景に映った。
「ベールディアと会ったからか? 暗いな、オレ」
 既にベールディアへの想いはない。あるのは諦念のみである。どちらかというと、苦手意識、怖いという感情の方が勝っているくらいだ。
 だから、きっとベールディアは関係ない。
 暗いのは、ラウルの性根に起因している。彼はそれに気付いていながらも、必死に目を逸らしているのだった。
 こういうとき、どうすれば良いのかは、痛い程に理解できていた。
 ここは音楽国家フーテ。
 嬉しいときも、怒ったときも、悲しいときも、楽しいときも――寂しいときも、歌えば良いのだ。この国では、全員がそうしているのだから。
  〈幸せ色はあなたの笑顔と同(おんな)じ色ね
   あなたが笑うと 心がそっと溶けていくの
   愛してるって
   あなたに囁ける 些細な幸せ〉
 ラウルの歌声は、王都の夜に掻き消されてしまう。それを気にすることもなく、彼は鼻歌で歌の続きを……
「貴方……音痴なのね」
 続けようとしたところに、少女の可憐な声が乱入してきた。

 

   ▽

 

前話・次話

前話(6話)・次話(8話)

 

反省会

 そもそも、文章が良くないのですよね。こればっかりはすぐさま改善する方法も解りませんし、地道にやっていくしかないのだろうとは思われますが。取り敢えず、現在の計画では写経と漢検の勉強が最適じゃないかな、と。漢検を習得すれば、最低限の漢字語彙力は保証されますから。ただし、一級は要らないかな、とも考えています。というのも、あまり難しすぎる言葉を使うのも、却って文章力の低さを露呈することになりますから。

 まずは文章力の向上・安定を目指したく思います。

 そして、イベント配置のバランスもやや悪いと言わざるを得ないので、その辺の改善案も考えていきます。

 ちなみに余談ですが、今回のお話は何処で切って良いのやら解りませんでした。もう一気に一万文字くらい投稿した方が良いのでしょうかね。そちらの方が絶対に面白く読めますし、絶対に読みやすいですよね。

 

おわりのコーナー

 今日の語彙は『秀逸

 

他のものよりぬきんでてすぐれていること。また、そのさま。「秀逸を極める」「秀逸な作品」

 

 引用は『goo国語辞書』より。

 では、さようなら。

 

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