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亡羊と遊ぶメランコリー――小説家志望・束木志埜のブログ

小説家を目指すわたくしのブログ。色々なことに関心を持ち、できる限りのことをしたく思います。小説・アニメ・漫画等々の感想や日々のこと、創作についても書いていきます。よろしくお願いします!

ネット小説『龍と奏でる英雄譚』23話

龍と奏でる英雄譚
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前話(22話)・次話(24話)

 

目次

 

前回のあらすじ

 禁歌の能力は『生物の創造』という途方もないモノであった。見世物小屋の店主はその魔法を駆使し、王都にて見世物小屋を営んでいたのだ。ラウルたちは、その不思議な生物しかいない見世物小屋の内部へと侵入を果たす。

 そして、いよいよ禁歌の譜面が保管されているであろう場所を突き止め、そこに突入しようとする。だが、そこには番人が存在していた。

 綿毛のような体毛に包まれた地竜。その名も――ふわふわ。

 ふわふわに舐められるラウル! 絶対絶命の危機に、ドロシーは言った。

「……罪な男ね」

 果たして、ラウルの罪とは!?

 

 ということで、本編です。

 

龍と奏でる英雄譚――23話

「ラウルくんの身体から、怪しいオクスリでも出ているのかしら」
「怖いこと言うなよな。オレは動物にはやたらと懐かれるんだよ。特に、地竜とかにはな」
 ラウルはふわふわを一顧だにすると、宵系の魔法を唱えて道具を取り出した。それはラウルが解錠の時に用いる、特別製のナイフであった。
 それをラウルは鍵穴に突き刺し、扉に耳を押し付けながら調子を確認する。
「貴方、本当にただの何でも屋なの? 妾、怖いわ」
「何でも屋は何でもするんだよ」
 自信に満ちた返答を送るラウルだったが、どうにも解錠が上手くいかない。しばらく弄り、最後には駄目だ、とナイフを引き抜いた。
「これは物理的な鍵じゃねえ。魔法で錠がされてやがる。しかも厄介なことに、魔法で解錠したのと同時に、物理的に鍵が必要な奴だ」
「なら、妾が解錠の魔法を歌って、その後にラウルくんが鍵を開ければ良いのね」
「でもよ、解錠の魔法たって色々あるだろうが。すぐに開けられたら、閉めた意味なくなるし」
 奏唱師にも色々いるが、中には防犯技術に特化した奏唱師もいる。彼らがいるお陰で王都の安全は守られている訳だ。
 とはいえ、魔法は案外破られてしまうので、近年は物理的な鍵の需要も増えているのだが。
「ラウルくん……貴方は妾を誰だと思っているの? 妾の趣味は歌の蒐集よ。野良猫をリラックスさせる魔法から、野良犬をリラックスさせる魔法まで、幅広く網羅しているわ」
「いや、狭えよ!」
「中々良いお値段の歌だったわ。具体的には、ラウルくんが三回雇えるお値段」
「騙されてるよ、あんた!」
 ラウルとしては、野良猫も野良犬も撫でれば良いだけだろうと感じる。それは動物に懐かれやすい、彼だからこその意見なのだが。しかし、それがなくとも、三ラウル分の値段は詐欺に違いが無かった。
 ドロシーが奏唱を開始した。相変わらず、惚れ惚れするような歌声だ。ラウルがうっとりとドロシーの歌声を鑑賞していると、不意に悲鳴が上がった。

 

   ▽

 ラウルは悲鳴の方向へと顔を向け、事態の把握を優先した。そうして、彼は気付いた。
「光が……消えてやがる」
 今まで見世物小屋内を照らしていた灯が消え失せ、代わりに暗闇がやってきている。今はまだ昼であるから視界は確保されているが、それでも暗いことには変わりない。
 特に、建物内の光が消えたのは、観客にとっては中々に恐ろしいことだろう。この見世物小屋は、恐ろしい見た目の生物だらけなのだから。
 停電であった。
「おかしいぞ。オレが王都に来てから数年経つが、停電なんて初めてだ」
「この王都の魔法を司っているのは、確かオーケストラなのよね? だとしたら、オーケストラに何かあったのかもしれないわ」
「それこそあり得ねえ。あいつらは歌の途中で仲間が倒れても、平然と歌っているような奴らだぞ? 何かがあった程度じゃあ……」
「何者かに、襲撃されたのかもしれないわ」

 

前回・次回

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反省会

 今回の課題は台詞ですかね。

 ギャグ系のシーンは書いていて楽しく、またそこまで不自然も少なかろうという自負がございます。が、停電時の台詞のやりとりが説明っぽさが抜けておりません。この辺り、自然な会話、もしくはクールな会話で進行していきたいものです。こう、ハリウッド映画みたいな皮肉とお洒落の介在した会話が目標です。

 説明台詞をいかにも説明台詞でござい……としないためには、事実を事実のままキャラクターに喋らさない技術が必要かもしれません。それでいて、きちんと事実がわかるような……

 地の文も上手く使っていかねばいけないでしょうね。

 

 

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